// INDEX
- BtoBの競合調査はなぜ重要?BtoCとの違いから目的を明確にする
- 競合のWebサイトを眺めるだけでは勝てない理由
- 価格や機能だけじゃない!BtoB特有の比較項目の複雑さ
- BtoB競合調査を5ステップで進める全手順
- ステップ1:調査のゴールを設定し、分析の軸を定める
- 「何のために調べるか」で集める情報が変わる
- 【よくある失敗】目的が曖昧だと情報の取捨選択ができない
- ステップ2:比較すべき「本当の競合」を3つのカテゴリーから特定する
- 直接競合・間接競合・代替競合の具体例
- ステップ3:Webサイトから競合の戦略を読み解くための情報収集術
- 必ず比較すべき6つの基本調査項目
- 【補足情報】AIと無料ツールで調査時間を短縮するテクニック
- ステップ4:フレームワークを活用して自社の勝機を可視化する
- 3C分析で市場・競合・自社の関係性を整理する
- SWOT分析で強み・弱みと機会・脅威を洗い出す
- ステップ5:分析結果を具体的なアクションプランに落とし込む
- 差別化ポイントを言語化する「バリュープロポジション」の策定
- 営業資料やWebサイトのコンテンツ改善に繋げる方法
- リサピー®を活用した競合比較調査でメディア掲載と顧客の共感を両立した事例
- BtoBの競合調査に関するよくある質問
- BtoBの競合調査では、具体的にどのような項目を比較すればよいですか?
- 競合調査を効率的に進めるためのツールやフレームワークはありますか?
- BtoBとBtoCの競合調査では、何がどう違うのですか?
- まとめ

BtoBビジネスにおいて、競合調査でどのような項目を比較すべきか、分析結果をどう活かせばいいか悩むことは少なくありません。
この記事では、BtoB特有の競合調査・分析の進め方を5つのステップで解説します。
読み終えれば、自社が勝てる「独自の提供価値(バリュープロポジション)」を明確にし、上司への報告や現場の施策に即活用できる具体的な比較表・分析結果を完成させられる状態になります。
BtoBの競合調査はなぜ重要?BtoCとの違いから目的を明確にする

BtoBの競合調査は、BtoCとは異なる視点で行う必要があります。
BtoCビジネスが個人の感情や流行に左右されやすいのに対し、BtoBでは製品やサービスの導入に複数の意思決定者が関与し、合理的かつ長期的な視点で判断が下されます。
そのため、価格や機能といった表面的な情報だけでなく、企業の信頼性、サポート体制、導入実績といった多角的な分析が自社の戦略を立てる上で不可欠です。
この違いを理解し、目的を明確にすることが、成果につながる競合分析の第一歩となります。
競合のWebサイトを眺めるだけでは勝てない理由
競合のWebサイトをただ眺めるだけの分析では、戦略的な優位性を築くことは困難です。
Webサイトに掲載されている情報は、あくまで競合他社が「見せたい」と考えている情報であり、企業の全体像の一部に過ぎません。
実際の顧客評価、営業プロセスの実態、サポート体制の質など、Webサイトからは見えない「裏」の情報にこそ、自社の勝機が隠されています。
表面的な情報分析に留まらず、顧客の真のニーズや競合の弱点を深く探る分析が求められます。
価格や機能だけじゃない!BtoB特有の比較項目の複雑さ
BtoBの購買決定プロセスは、価格や機能だけで決まることはほとんどありません。
導入後のサポート体制、システムの連携性、企業の信頼性や将来性、さらには業界内での導入実績や成功事例の質などが、総合的に評価されます。
また、意思決定には経営層、情報システム部門、現場の担当者など、複数の立場が関わるため、それぞれのポジションで重視する項目が異なります。
この複雑な評価軸を理解した分析が、競合との差別化を図る上で極めて重要です。
BtoB競合調査を5ステップで進める全手順

BtoBにおける競合調査は、闇雲に情報を集めるのではなく、体系立てて進めることが成功の鍵です。
ここでは、調査の目的設定から具体的なアクションプランへの落とし込みまでを、5つの明確なステップに分けて解説します。
この手順に沿って分析を進めることで、実務に直結する戦略的な示唆を得ることが可能になります。
まずは、調査全体の設計図となるゴール設定から始めます。
ステップ1:調査のゴールを設定し、分析の軸を定める

競合調査を始める前に、まず「何のために調査を行うのか」というゴールを具体的に設定します。
この目的が調査全体の方向性を決定し、集めるべき情報や用いるべき分析手法の選択基準となります。
ゴールが明確であればあるほど、後のプロセスで情報に溺れることなく、効率的に調査を進めることが可能です。
明確なゴール設定が、価値ある分析結果を生み出すための土台を築きます。
「何のために調べるか」で集める情報が変わる
設定するゴールによって、収集すべき情報は大きく異なります。
例えば、ゴールが「自社WebサイトのSEOコンテンツ強化」であれば、競合が対策しているキーワードやコンテンツの種類、構成を重点的に分析します。
一方で、「営業資料の改善」がゴールなら、競合の価格体系、導入事例、顧客からの評価などを中心に情報を集める必要があります。
目的を具体化することで、調査のスコープが定まり、分析の精度が高まります。
【よくある失敗】目的が曖昧だと情報の取捨選択ができない
目的が曖昧なまま調査を始めると、集めた情報をどう分析し、活用すればよいか分からなくなります。
「競合の動向を把握する」といった漠然とした目的では、あらゆる情報を集めてしまい、結果的に膨大な時間を浪費しただけで終わるケースが少なくありません。
情報の洪水に流されず、意味のある分析を行うためには、具体的で測定可能なゴール設定が不可欠です。
ステップ2:比較すべき「本当の競合」を3つのカテゴリーから特定する

調査対象となる競合を特定します。
多くの企業は、自社と同じ製品やサービスを提供している「直接競合」のみを注視しがちですが、顧客の課題を解決する手段はそれだけではありません。
顧客の予算やリソースを奪い合う、より広い視野での競合分析を行うことで、自社のユニークな立ち位置を発見できます。
このステップで、自社が戦うべき市場の全体像を正確に捉えます。
直接競合・間接競合・代替競合の具体例
競合は3つのカテゴリーで捉えると考えやすくなります。
例えば、会計ソフトを提供している企業の場合、以下のようになります。
直接競合:同様の機能を持つ他社の会計ソフト
間接競合:課題は解決するが、アプローチが異なるもの(例:税理士へのアウトソーシング)
代替競行:根本的な課題解決を代替する手段(例:Excelでの手動管理)
このように競合を多角的に分析することで、自社サービスが提供すべき本当の価値が明確になります。
ステップ3:Webサイトから競合の戦略を読み解くための情報収集術
競合のWebサイトから、戦略的な意図を読み解くための情報を体系的に収集します。
BtoB企業にとってWebサイトは「24時間働く営業パーソン」であり、その構成やコンテンツには、ターゲット顧客やマーケティング戦略が色濃反映されています。
ここでは、どのような情報を、どの観点から集めるべきかを具体的に解説し、効率的な情報収集の基盤を構築します。
必ず比較すべき6つの基本調査項目
競合の戦略を多角的に分析するために、最低限以下の6つの項目は調査し、比較表にまとめます。
1.製品・サービス:機能一覧、料金体系、提供形態(クラウド/オンプレミスなど)
2.ターゲット顧客:導入事例で紹介されている企業規模や業種、サイト内の専門用語
3.マーケティング戦略:ブログやホワイトペーパーのテーマ、出稿している広告、SNSの活用状況
4.営業戦略:CTA(CallToAction)の種類と配置、資料請求フォームの項目、セミナーやイベントの開催頻度
5.サポート体制:FAQの内容、問い合わせチャネル(電話、メール、チャット)、オンボーディングプログラムの有無
6.企業情報:設立年、資本金、従業員数、プレスリリースの内容
【補足情報】AIと無料ツールで調査時間を短縮するテクニック
情報収集の効率を飛躍的に高めるために、AIや無料ツールを積極的に活用します。
例えば、SEOツール「Ubersuggest」の無料版を使えば競合サイトの流入キーワードを分析でき、「Wayback Machine」は過去のサイトデザインやキャッチコピーの変遷を追跡可能です。
また、ChatGPTのような生成AIに「(競合サイトのURL)の主なターゲット顧客層とその根拠を教えてください」と指示することで、短時間でサイト分析の要約を得ることもできます。
ステップ4:フレームワークを活用して自社の勝機を可視化する
収集した情報を整理し、自社の戦略的な勝ち筋を見出すために、フレームワークを活用して分析します。
フレームワークは、複雑な情報を構造化し、思考を整理するための有効なツールです。
ここでは、BtoBの競合分析で特に役立つ「3C分析」と「SWOT分析」を取り上げ、情報から意味のある示唆を抽出し、戦略を可視化する方法を解説します。
3C分析で市場・競合・自社の関係性を整理する
3C分析は、「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点から市場環境を分析するフレームワークです。
顧客:顧客のニーズ、購買決定プロセスは何か?
競合:競合は顧客의ニーズにどう応えているか?その強みと弱みは?
自社:自社の強みと弱みは何か?
この3つの関係性を整理することで、「顧客が求めているが、競合は提供できておらず、自社なら提供できる価値」=成功要因(KSF)を発見します。
SWOT分析で強み・弱みと機会・脅威を洗い出す
SWOT分析は、自社の内部環境である「強み」「弱み」と、外部環境である「機会」「脅威」を整理する手法です。
3C分析で得られた情報を基にSWOT分析を行うことで、より具体的な戦略オプションを導き出せます。
例えば、「強み」を活かして「機会」を最大限に活用する「積極化戦略」や、「弱み」が「脅威」によって致命傷にならないように対策する「防衛戦略」などを検討します。
ステップ5:分析結果を具体的なアクションプランに落とし込む
競合調査の最終ステップとして、分析から得られた洞察を具体的な施策に落とし込みます。
分析が「やりっぱなし」で終わってしまうのを防ぎ、ビジネスの成果に結びつけるための最も重要な段階です。
ここでは、自社の差別化ポイントを明確に言語化し、それを営業資料やWebサイトの改善といった具体的なマーケティング活動に反映させる方法を解説します。
差別化ポイントを言語化する「バリュープロポジション」の策定
バリュープロポジションとは、「顧客が切実に求めている価値」「競合他社には提供できない価値」「自社が提供できる価値」の3つが重なる、独自の提供価値のことです。
これまでの分析結果を基に、「どのような顧客の、どのような課題を、競合とはどう違う方法で解決できるのか」を明確に言語化します。
このバリュープロポジションが、今後のあらゆるマーケティング活動の核となるメッセージになります。
営業資料やWebサイトのコンテンツ改善に繋げる方法
策定したバリュープロポジションを、具体的なアウトプットに反映させます。
例えば、営業資料の競合比較ページでは、自社が優位性を持つ比較軸を強調します。
Webサイトのトップページでは、キャッチコピーをバリュープロポジションに基づいたものに変更し、ターゲット顧客に響くメッセージを発信します。
このように、分析結果を顧客との接点に落とし込むことで、調査の成果を最大化できます。
リサピー®を活用した競合比較調査でメディア掲載と顧客の共感を両立した事例
競合との差別化を図る高度な手法として、客観的な調査データを活用した「調査PR」があります。
これは、自社が主張したい市場の優位性や顧客インサイトを、第三者機関の調査結果として公表することで、信頼性の高い情報として発信するものです。
例えば、自動車のサブスクリプションサービスを展開するKINTO社は、「若者のクルマ離れ」という一般的な認識に対し、Z世代の意識調査を実施。
調査によって「サブスクリプションであれば利用したい」という潜在ニーズを可視化しました。
この調査結果をPRに活用することで、多くのメディア掲載を獲得し、単なる機能比較ではない、新たな市場の文脈を創出することに成功しました。
このような戦略的な情報発信は、競合分析の最終的なアウトプットとして極めて有効です。
調査PRの支援サービスについては「調査PR支援サービス「リサピー®」」で詳しく紹介しています。
BtoBの競合調査に関するよくある質問
BtoBの競合調査を進める上で、多くの担当者が抱える疑問について解説します。
具体的な比較項目から、効率化のためのツール、BtoC調査との本質的な違いまで、よくある質問に簡潔に回答します。
BtoBの競合調査では、具体的にどのような項目を比較すればよいですか?
価格や機能に加え、導入事例の質、サポート体制、セキュリティ、企業の信頼性、ターゲット顧客層などを比較します。
BtoBでは合理的な判断と長期的な関係性が重視されるため、製品だけでなく、事業全体の多角的な分析が重要です。
競合調査を効率的に進めるためのツールやフレームワークはありますか?
3C分析やSWOT分析といったフレームワークが、情報の整理と戦略立案に有効です。
また、UbersuggestなどのSEO分析ツールや、ChatGPTのようなAIを活用することで、情報収集と初期分析の時間を大幅に短縮できます。
BtoBとBtoCの競合調査では、何がどう違うのですか?
BtoCが個人の感情的な判断に重きを置くのに対し、BtoBは複数の意思決定者が関わる合理的・長期的な判断が基本です。
そのため、製品スペックだけでなく、企業の信頼性や導入後のサポート体制、費用対効果などが重要な比較項目となります。
BtoBの大型購買プロセスの調査結果については「日本のBtoB大型購買プロセス調査」で詳しく紹介しています。
まとめ
BtoBの競合調査は、単に競合の情報を集める作業ではありません。
ゴール設定から始め、調査対象を正しく特定し、Webサイトから戦略を読み解き、フレームワークで分析し、具体的なアクションに落とし込むという一連の戦略的なプロセスです。
この5つのステップを通じて自社の独自の提供価値を明確にすることで、マーケティングや営業活動の精度を飛躍的に高める分析が可能になります。