// INDEX
- BtoBメディアリレーションの基本|BtoCとの根本的な違いを解説
- メディアリレーションは広告と異なり「第三者からの信頼」を築く活動
- BtoB特有のメディアリレーションを理解する3つのポイント
- なぜBtoBのメディア露出は難しいのか?広報担当者が陥りがちな課題
- プレスリリースを配信するだけでは記者の目に留まらない根本原因
- 専門性の高い情報を「社会の関心事」として伝えられていない
- 専門性をニュースに変える「調査PR」という戦略的アプローチ
- 客観的な調査データがBtoBメディアリレーションで効果的な理由
- 調査データでメディアが求める「意外性」と「納得感」を両立させる方法
- マーケティング成果に繋げるBtoBメディアリレーション5つの手順
- STEP1:事業戦略と連動した広報目標とターゲットメディアを設定する
- STEP2:メディアが取り上げたくなるニュースバリューを創出する
- STEP3:記者の関心を引くためのプレスリリースの構成要素と書き方
- STEP4:個別アプローチで記者との継続的な関係を構築する
- STEP5:掲載後の効果を測定し、営業活動や次の施策へ活かす
- メディア掲載を事業貢献に繋げるKPI設定と効果測定のフレームワーク
- 掲載数だけではないBtoBならではの広報活動の成果指標
- 営業部門と連携しメディアリレーションの効果を最大化する仕組み
- BtoBメディアリレーションに関するよくある質問
- 広報の専門部署がなくても、BtoBのメディアリレーションは可能ですか?
- 専門的なBtoB商材の場合、どのようなメディアをターゲットにすれば良いのでしょうか?
- BtoBメディアリレーションの成果はどのように測定すれば経営層を説得できますか?
- メディアが反応する「ありきたりではない」調査の企画設計力
- ニッチなBtoBターゲットにも的確にアプローチできる調査パネル
- 調査から二次活用まで一気通貫でマーケティング成果を最大化する伴走支援

専門性の高いBtoB商材を扱っていると、「プレスリリースを配信してもメディアに取り上げられない」「広報活動の成果がマーケティングや売上にどう繋がっているか説明しにくい」といった課題に直面しがちです。
この記事では、BtoB特有の「社会性・専門性」を軸にしたメディアリレーションの型を理解し、自社の商材を適切なメディア(業界紙・ビジネス誌等)へ掲載させるための具体的なアクションプランを立案できる状態を目指します。
BtoBメディアリレーションの基本|BtoCとの根本的な違いを解説

BtoBメディアリレーションとは、企業がターゲットとする他の企業(法人)との良好な関係を、メディアを通じて構築・維持するための広報活動全般を指します。
単に情報を発信するだけでなく、業界専門誌やビジネス誌などのメディアに自社の取り組みや専門知識を取り上げてもらうことで、企業の信頼性やブランド価値を高めるのが目的です。
しかし、BtoCの広報活動と同じ手法ではうまくいかないケースが多く、その原因を理解することが重要ですす。
メディアリレーションは広告と異なり「第三者からの信頼」を築く活動
メディアリレーションと広告は、情報を外部に発信するという点で共通していますが、その性質は大きく異なります。
広告は、企業が費用を支払ってメディアの広告枠を購入し、主体的に宣伝を行うマーケティング手法です。
一方、メディアリレーションは、メディアに対してニュースとして価値のある情報を提供し、記者の判断で記事として取り上げてもらう活動であり、原則として費用は発生しません。
メディアという第三者の客観的な視点を通すことで、広告よりも高い信頼性を獲得できる点が最大の特徴です。
BtoB特有のメディアリレーションを理解する3つのポイント
BtoBのメディアリレーションを成功させるには、BtoCとの違いを明確に認識する必要があります。
第一に、ターゲット読者が企業の決裁者や担当者であるため、感情的な訴求よりも論理性や客観的なデータに基づいた専門性の高い情報が求められます。
第二に、アプローチするメディアが、業界専門誌やビジネス系Webメディアなど、ターゲットが明確にセグメントされた媒体になる点です。
第三に、BtoB商材は検討期間が長く、購買決定が組織で行われるため、一過性の話題作りよりも、継続的な情報発信による信頼関係の構築がマーケティング成果に直結します。
スタートアップのPR戦略については「スタートアップのPR戦略ガイド」で詳しく紹介しています。
なぜBtoBのメディア露出は難しいのか?広報担当者が陥りがちな課題

多くのBtoB企業がメディアリレーションに課題を感じる背景には、BtoB特有の難しさが存在します。
製品やサービスが専門的でニッチなため、一般の生活者にとってのニュース価値を見出しにくいのです。
また、BtoC商材のように流行や季節性と結びつけにくく、情報発信のタイミングを逃しがちになることも少なくありません。
これらの課題を乗り越えるための一つの戦略的アプローチが「調査PR」です。
プレスリリースを配信するだけでは記者の目に留まらない根本原因
メディアの編集部には、毎日数百通から数千通ものプレスリリースが送られてきます。
そのため、単にプレスリリース配信サービスを利用して一斉配信するだけでは、その他多くの情報に埋もれてしまい、記者の目に留まることはほとんどありません。
記者が求めているのは、自社の宣伝ではなく、読者にとって価値のある「ニュース」です。
自社の言いたいことだけを伝えるのではなく、記者が記事として取り上げたいと思える客観性や社会性のある情報に加工しなければ、マーケティング活動として成果を上げるのは困難です。
専門性の高い情報を「社会の関心事」として伝えられていない
BtoB商材の露出が難しい最大の理由は、その専門性の高い情報を、より広い「社会の関心事」という文脈に落とし込めていない点にあります。
例えば、特定の業務を効率化するSaaS製品の紹介も、「働き方改革」や「DX推進」といった社会的なテーマと結びつけることで、メディアが取り上げるべきニュースとしての価値が生まれます。
自社の技術やサービスが、社会全体のどのような課題を解決し、どのような未来に貢献するのかという視点で情報を「翻訳」するマーケティング思考が不可欠です。
専門性をニュースに変える「調査PR」という戦略的アプローチ

専門性の高いBtoB商材の情報を、客観的でニュース価値のあるコンテンツに変える有効な手法が「調査PR」です。
これは、自社に関連するテーマで独自の調査を実施し、その結果をデータとして公表することでメディアの関心を引く戦略的な広報アプローチを指します。
調査データという客観的な根拠を用いることで、企業の一方的な主張ではない、信頼性の高い情報として発信できます。
では、この調査PRをどのように実践し、マーケティング成果に繋げていくのでしょうか。
客観的な調査データがBtoBメディアリレーションで効果的な理由
BtoBの意思決定プロセスでは、客観的な根拠やデータが極めて重視されます。
調査PRで得られた数値データは、自社の主張に説得力を持たせる強力な武器となります。
例えば、「弊社の新サービスは業務効率を改善します」という主張よりも、「弊社の新サービスを導入した企業の8割が、業務時間が平均20%削減されたと回答」という調査結果を示す方が、はるかに信頼性が高まります。
また、調査結果はプレスリリースだけでなく、営業資料やセミナー、オウンドメディアなど、様々なマーケティングコンテンツに二次活用できるため、コストパフォーマンスも高い手法です。
調査データでメディアが求める「意外性」と「納得感」を両立させる方法
メディアがニュースとして取り上げたくなる調査データには、「意外性」と「納得感」という二つの要素が共存しています。
多くの人が感じているであろう仮説を裏付けるデータ(納得感)と、その常識を覆すような新しい発見(意外性)を組み合わせることで、ストーリーに深みが生まれます。
例えば、「多くの企業がDXの必要性を感じている(納得感)」というデータに加え、「しかし、実際にDXを推進する担当者の半数以上が別の業務と兼務している(意外性)」といった発見を提示することで、メディアの関心を強く引くことができます。
マーケティング成果に繋げるBtoBメディアリレーション5つの手順

BtoBメディアリレーションを成功に導くためには、戦略的な手順を踏むことが重要です。
目標設定から効果測定まで、一貫したプロセスを構築することで、広報活動を単なる情報発信で終わらせず、具体的なマーケティング成果へと繋げることが可能になります。
ここでは、そのための具体的な5つのステップを解説します。
これらのステップを着実に実行すると同時に、その成果を正しく測定し、事業貢献に繋げることが不可欠です。
比較される前に自社で基準を定義する方法については「比較される前に『選び方の基準』を自社で定義する3層の発信戦略」で詳しく紹介しています。
STEP1:事業戦略と連動した広報目標とターゲットメディアを設定する
まず、自社の事業戦略やマーケティング目標と連動した広報の目標を明確に設定します。
例えば、「新規事業の認知度を半年で◯%向上させる」「特定領域での専門家としての地位を確立する」といった具体的な目標です。
次に、その目標達成のために最も影響力のあるメディアは何かを考え、ターゲットメディアリストを作成します。
業界専門誌、全国紙の経済・産業面、影響力のあるビジネス系Webメディアなど、ターゲット顧客が日頃から情報収集に利用している媒体を洗い出しましょう。
STEP2:メディアが取り上げたくなるニュースバリューを創出する
次に、設定した目標とターゲットメディアに合わせて、ニュース価値のある情報(ネタ)を企画します。
ニュース価値は、「時事性」「新規性」「社会性」「信頼性」などの要素で判断されます。
単なる新製品の発表だけでなく、業界のトレンドや社会課題に絡めた独自調査の実施(調査PR)、他社との協業、導入企業の成功事例などを通じて、メディアが「これは記事にしたい」と感じるような切り口を創出することが重要です。
この企画力が、メディアリレーションの成否を大きく左右します。
STEP3:記者の関心を引くためのプレスリリースの構成要素と書き方
企画したニュースを、メディア関係者に向けてプレスリリースとしてまとめます。
最も重要なのは、記者が短時間でニュースの価値を理解できるよう、結論ファーストで書くことです。
タイトルと最初のリード文で「誰が」「何を」「なぜ」したのかが明確にわかるように構成します。
本文では、客観的なデータや社会的な背景を盛り込み、専門用語は避け平易な言葉で説明します。
図やグラフを用いると、視覚的に理解を助け、記事化される際の素材としても活用されやすくなります。
STEP4:個別アプローチで記者との継続的な関係を構築する
プレスリリースの一斉配信だけで終わらせず、ターゲットメディアの中でも特に重要な記者に対しては、個別のアプローチを行います。
過去の記事からその記者の関心事をリサーチし、今回の情報がなぜその記者にとって有益なのかを簡潔に伝えます。
一度きりの情報提供で終わるのではなく、日頃から業界動向に関する情報交換を行うなど、中長期的な視点で信頼関係を築くことが、継続的なメディア露出に繋がります。
この地道な活動こそが、メディアリレーションの核となります。
STEP5:掲載後の効果を測定し、営業活動や次の施策へ活かす
メディアに掲載されたら、その効果を測定し、次へと活かします。
掲載された記事数や広告換算値だけでなく、掲載記事経由でのウェブサイトへのアクセス数、指名検索数の変化、問い合わせ件数などを追跡します。
また、掲載記事を営業資料に引用したり、自社のSNSで発信したりすることで、二次的な効果を最大化させます。
これらの結果を分析し、どのような情報がメディアや市場に響いたのかを次の広報戦略にフィードバックするPDCAサイクルを回すことが重要です。
メディア掲載を事業貢献に繋げるKPI設定と効果測定のフレームワーク
BtoBにおけるメディアリレーションの最終目的は、単にメディアに掲載されることではなく、事業の成長に貢献することです。
そのためには、活動の成果を正しく評価し、経営層や関連部署にその価値を説明できるKPIの設定が不可欠です。
掲載数といった単純な指標だけでなく、事業への貢献度を可視化するフレームワークを構築する必要があります。
具体的な指標を理解することで、より戦略的なメディアリレーションが可能になります。
掲載数だけではないBtoBならではの広報活動の成果指標
BtoBの広報活動の効果測定では、掲載記事数や広告換算値といった従来のアウトプット指標に加え、事業成果に繋がる指標を重視します。
具体的には、ウェブサイトへの自然検索流入数、特に企業名やサービス名での「指名検索数」の増加、ホワイトペーパーなどのダウンロード数、問い合わせやリードの獲得件数などが挙げられます。
さらに、営業担当者から「商談の場で『あの記事を見ました』と言われた」といった定性的なフィードバックも、広報活動が事業に貢献している証拠となります。
営業部門と連携しメディアリレーションの効果を最大化する仕組み
メディアリレーションの効果を最大化するためには、営業部門との密な連携が欠かせません。
広報部門が獲得したメディア掲載記事を、営業部門が商談時の信頼性補完資料として活用できる仕組みを構築します。
例えば、掲載記事をまとめた資料を作成し、営業担当者が顧客の課題に応じて提示できるように準備しておくのです。
逆に、営業部門が顧客から得た最新のニーズや課題感を広報部門にフィードバックし、それを基に新たな広報ネタを企画するなど、双方向の連携体制を築くことが重要です。
BtoBメディアリレーションに関するよくある質問
BtoBのメディアリレーションを進める上で、多くの担当者が抱える共通の疑問があります。
ここでは、そうしたよくある質問に対して、簡潔にお答えします。
広報の専門部署がなくても、BtoBのメディアリレーションは可能ですか?
はい、可能です。
マーケティング担当者が兼務する形でも始められます。
重要なのは、事業戦略と連動した目標設定です。
リソースが限られる場合は、調査の実施やメディアアプローチなど、専門性が高い業務を外部のPR会社や調査会社に委託することで、効率的かつ効果的に活動を進めることができます。
おすすめのPR会社については「AEO対応PR会社おすすめ比較ガイド」で詳しく紹介しています。
専門的なBtoB商材の場合、どのようなメディアをターゲットにすれば良いのでしょうか?
まずは、自社のターゲット顧客が情報収集のために日常的に接触しているメディアを最優先に考えます。
具体的には、業界専門誌や業界新聞、特定の技術や職種に特化したWebメディアが中心となります。
加えて、より広い経営層へのアプローチを狙うのであれば、ビジネス誌や全国紙の経済・テクノロジー関連の特集なども有効なターゲットです。
BtoBメディアリレーションの成果はどのように測定すれば経営層を説得できますか?
掲載記事数や広告換算値だけでなく、事業貢献に直結する指標を示すことが重要です。
具体的には、掲載後の「指名検索数」やウェブサイトへの流入数の増加、獲得したリード数、営業部門での商談化率への貢献などを数値で報告します。
これにより、広報活動が単なるコストではなく、事業成長への投資であることを明確に伝えられます。
メディアが反応する「ありきたりではない」調査の企画設計力
事業目的から逆算し、メディアと読者が関心を持つ「社会性」や「意外性」のある切り口を設計する専門的な企画力が求められます。
自社の主張を裏付けるだけでなく、業界の新たな課題提起に繋がるようなテーマを設定し、客観的なデータで示すことで、ありきたりではないニュース価値を生み出すことができます。
ニッチなBtoBターゲットにも的確にアプローチできる調査パネル
ニッチなBtoB領域の調査では、対象となる回答者を見つけること自体が困難です。
そのため、汎用的な調査モニターだけでなく、「特定の役職者」や「特定の業界の従事者」など、BtoBに特化した独自の調査パネルを保有している専門サービスを選ぶことが、調査の質と信頼性を担保する上で非常に重要です。
BtoB特化型の調査PRサービスについては「リサピー®︎で調査PRを成功させる」で詳しく紹介しています。
調査から二次活用まで一気通貫でマーケティング成果を最大化する伴走支援
調査PRの価値は、調査データの納品だけで完結しません。
そのデータを基にしたプレスリリースの作成・配信、メディアへの個別アプローチ、さらには営業資料やホワイトペーパーへの展開までを一気通貫で支援する伴走型のサービスを選ぶことで、一つの調査から得られるマーケティング成果を最大化できます。